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条件から絞りこまない人ほど納得のいく職場に出会うという仕事探しの逆説

条件を先に狭めるほど選べなくなるという逆説

製菓専門学校での学びが進むにつれて、仕事探しをいつ始めるべきかという問いが生まれてきます。多くの人は条件を先に絞り込もうとしますが、実はそこにこそ落とし穴が潜んでいるとも言えます。

働く場所や休みの日数といった条件を先に決めてしまうと、選べる候補は驚くほど少なくなります。その少ない選択肢の中だけで考えていると、かえって決めきれなくなってしまう人が多くなります。

条件から入る人ほど迷いが長引いてしまうという逆説は、実際の場面でも何度となく見られてきました。自分が何を大切にしたいのかを先に定めておかないと、比べるための物差しが手に入らないからです。

反対に、条件を後回しにしたうえで働く姿を先に思い描いた人は、決断が早くなる傾向にあります。毎日どのような作業をしていたいのかがはっきりしてくると、選ぶ基準もまた自然と定まってきます。

求人の情報を眺めはじめる前に、自分が働く一日の姿を思い描く時間を、持ってみるとよいでしょう。朝の仕込みから店を閉めるまでの流れを想像してみると、向き不向きが具体的な形で見えてきます。

働く場の形は一つではなく、菓子を作る場所も売る場所も、実にさまざまな形で広がっているものです。最初から一つの形に絞ってしまうと、自分に本当に合う場所を見落としてしまうことになりかねません。

先生や先輩に話を聞いてみるということは、視野を広げるうえで最も手早く効く手立てになります。実際に働いている人の言葉の中には、書かれた情報からは決して見えない実感が込められています。

急がば回れという言葉のとおり、自分を知るための時間を取ることこそが、結局は近道になります。この順番を守った人ほど、迷いの少ない選択へとたどり着いていると言えるのではないでしょうか。

自分を知るところから始める仕事探しの順序

仕事探しの最初の一歩は、求人を探すことではなく、自分自身を知ることから始まっていくものです。これまでの実習を振り返りながら、どの工程で時間を忘れていたのかを、思い出してみてください。

手が止まらなかった工程というのは、その人の持ち味が現れている場所だと考えることができます。反対に、気が重くなってしまった工程を書き出しておくことも、同じくらい役に立つ作業になります。

次に考えておきたいのは、誰のために作りたいのかという、向き合う相手をめぐる問いになります。日々の暮らしに寄り添う品を作りたいのか、特別な日を彩る品を作りたいのかで、進む道は変わります。

働く場所の規模ということについても、早い段階で考えておくと、道は選びやすくなっていきます。少人数の場では幅広い工程を任されますが、大きな場では一つの工程を深く担うことになっていきます。

どちらが良いというものではなく、自分がどちらでより伸びるのかという視点で選ぶことになります。幅広く覚えたいという人と一つの工程を極めたいという人とでは、選ぶべき場所は変わってきます。

お菓子に関わる仕事の中には、売り場に立つという役割や、企画に関わるという役割も含まれています。作る場面だけを思い描いてしまっていると、自分に向いた役割を見落としてしまうことになりかねません。

自分を知るという作業においては、人に語ってみるという方法が、思いのほか強い効き目を持ちます。言葉にしていく途中で、自分でも気づいていなかった望みが姿を現すということも、よくあるからです。

こうして軸が定まってから条件を見ると、情報の持つ意味がはっきりと読み取れるようになります。同じ求人の文面であったとしても、軸を持つ人と持たない人とでは、受け取り方がまるで違ってきます。

動きながら考えることで見えてくる働き先の姿

軸がある程度定まったら、次は実際に足を運んでみるという段階へと、進んでいくことになります。机の上で考え続けているよりも、実際に現場の空気に触れたほうが、判断の材料は多く集まります。

学校を通じて見学の機会が用意されているのであれば、迷うことなく手を挙げてみるとよいでしょう。見学で見ておきたいのは、設備の新しさよりも、そこで働く人どうしの声のかけ方になってきます。

実習として現場に入る機会があるのなら、それは何よりも確かな手がかりになってくれるはずです。一日の流れを自分の体で知ることによって、想像だけでは分からなかった部分が見えてくるのです。

実際に動いてみると、当初思い描いていた望みが少しずつ変わっていくことにも、気づかされます。その変化は迷いなどではなく、理解が深まってきた確かな証なのだと受け止めておくとよいでしょう。

履歴に書ける学びを整えておくということも、この時期に進めておきたい、大切な準備のひとつです。実習で作った品や取り組んだ工程を書き出しておけば、面接の場においても落ち着いて話せるはずです。

パティシエとして働きはじめる場所というのは、必ずしも最後の場所になるとは限らないものです。最初の一歩を重く考えすぎることなく、そこで何を学べるのかという視点で選ぶことも大切になります。

なかなか決まらない時期が続いたとしても、それは自分に合う場所を探している途中にすぎません。焦って決めた選択よりも、納得したうえで決めた選択のほうが、働きはじめてからの力になります。

条件から入らないという逆説的な進め方は、遠回りに見えて、実は確かな近道になってくれるのです。自分の軸を持って動いた人ほど、納得のいく職場に出会えているというのが、実際のところなのです。

まとめ

仕事探しというものは、条件から入るほどかえって選べなくなるという、少し意外な逆説を抱えているものだと言えます。働く場所や休みの数から絞り込んでしまう前に、自分がどのような一日を過ごしたいのかを描いておきたいところです。

最初の一歩は求人を探すことではなく、これまでの実習を振り返りながら、自分自身を知ることから始まります。手が止まらなかった工程と気が重くなった工程を書き出しておけば、進むべき方向はおのずと見えてくるはずです。

働く場の形は決して一つではなく、その規模によっても、任される工程の幅は大きく変わってくることになります。幅広く覚えたい人と一つを極めたい人とでは選ぶべき場所が変わるため、自分の伸び方をよく考えたいところです。

軸がある程度定まったら、見学や実習を通じて現場の空気に触れ、判断のための材料を集めていきたいところです。設備の新しさよりも、そこで働く人どうしがどのように声をかけ合っているのかを見ておくと、参考になります。

なかなか決まらない時期が続いたとしても、それは自分に合う場所を探している途中なのだと考えてみてください。自分の軸を持って動いた人ほど納得のいく職場に出会えているという事実こそが、この逆説を静かに裏づけています。